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星の王子様といじめを考える
大事な友達のこのブログにいじめの問題が書いてあったので...

星の王子様le petit princeを書いたサンテグジュペリSaint-Exupéryはお隣のリヨン生まれなので、アヌシーにもrue de Saint-Exupéryとかbrusserie de Saint-Exupéryとかあちこちで名前を見かけるのです (イギリスでサンテグジュペリといっても全く通じないのにここでは堂々と言えるのは嬉しい)

ある日彼女が「星の王子様は苦手」と言ったことを思い出して。
私はずっとあの挿絵のかわいらしさと、きらきらと光を放つような言葉が大好きだったので、大事なものを大事でないと宣言されたかのようなショックを受けたんだけど...

星の王子様といじめを考える_a0008516_8545238.jpg Les grandes personnes aiment les chiffres.
Quand vous leur parlez d'un nouvel ami,
elles ne vous questionnent jamais sur l'essentiel.
Elles ne vous disent jamais:
"Quel est le son de sa voix? Quels sont les jeux qu'il prefere?
Est-ce qu'il collectionne les papillons?"
Elles vous demandent:
"Quel age a-t-il? Combien a-t-il de freres? Combien pese-t-il?
Combien gagne son pere?"
Alors seulement elles croient le connaitre.

 大人というのは、数字が好きだ。
 あなたが新しい友だちのことを話すとき、
大人たちは大事なことは絶対に質問しない。
 「その子はどんな声? その子はどんな遊びが好き?
  その子はちょうちょを集めてる?」などとは絶対に言わないのだ。
 彼らが言うのは
 「その子は何歳? 兄弟は何人? 体重はどのくらい?
お父さんはいくら稼いでいるの?」
 そうやって大人はその子を分かった気になるだけなのだ。

Pourquoi bois-tu? Lui demanda le petit prince.
Pour oublier, repondit le buveur.
Pour oublier quoi? s'enquit le petit prince
qui deja le plaignait.
Pour oublier que j'ai honte,
avoua le buveur en baissant la tete.
Honte de quoi? s'informa le petit prince
qui desirait le secourir.
Honte de boire! acheva le buveur
qui s'enferma definitivement dans le silence.
Et le petit prince s'en fut, perplexe.
Les grandes personnes sont
decidement tres tres bizarres,
se disait-il en lui-meme durant le voyage.

 なぜ飲むの? と王子さまは聞いた。
 忘れるため、と酒飲みは答えた。
 何を忘れるの? とまだ答えに不満のある王子さまは尋ねた。
 恥ずかしいのを忘れるの、と酒飲みは、
 頭をうなだれて告白した。
 何が恥ずかしいの?
 と、酒飲みを助けてあげたくなった王子さまは尋ねた。
 飲むのが恥ずかしいの! と酒飲みは言い切って、
 あとは完全に口をつぐんだ。
 それで王子さまは当惑した。
 大人ってやっぱり、ほんとにほんとに変だ、
 と旅を続けながら王子さまはひとりつぶやいた。


(こちらからコピペ)


「大人は変」の典型的な一説

うーん。今さら考えてみる。

星の王子様は汚れのない真っ白な色のような潔白さで「大人は変だ」と言っているけれど、実際、子供は純真で本質的で美しいだろうか? どこかtoo precious (美化し過ぎ)?

大人は変? 子供も変だ。今話題のいじめのニュースを見る度に、子供の世界が厳しくて大変なものだったってこと思い出す。

大人になるっていうことは、何かを忘れる為に酒を飲んだりすることを含めて、人生が美しいものだけで成り立つわけではないこと、忘れたい事のひとつやふたつあること、をすこしずつ学んで行くことだったりするのかもしれない。大人になるとだからのろまな誰かをみんなでシカトしたりすることもなくなる。子供は逆にどこかそういうものを受け入れられない残酷さを持っているんではないかと思う。

子供はしっかり計算している。どういう声を出せば自分の願いが叶うのか、お金の価値も分かるし、見た目もとても気にしている。「ほんとに大切なものは目に見えない」 と素敵な言葉だけど、それが甘いデザートの役割をしているだけで、毎日甘いものだけ食べるのは無理。

そういう矛盾さを彼女は苦手と言ってたのかもしれない...

いじめの問題は難しいけれど、子供がファンタジーの世界から離れて一歩冷めた目を持つ事が出来る、大人も子供をファンタジーの世界に閉じ込めない、どいうのも大事だったりするのかな 

追伸
ちょっと書いた内容が離れているので迷ったのだけれど、結局あぶさんのこのすごい記事にトラバ
by ninotika | 2006-12-09 09:05 | THINKING


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