まだ進路を迷っていて決心がついていない
普通は自分で進路を決めるのではなく
医局の方針に従って次の就職先が決まるのだけれど
この懐かしい医局にもどっていくかどうかここで立ち止まって真剣に考えている
それを多分医局では「身勝手」だと思うだろう
私の帰りを待ちわびていた両親は
さ、これで仕事一本で頑張れるねって
大きくなってよねって
期待を込めた声で私を励ますけれど
私は仕事一本の、仕事ばっかりの人生にするつもりはないと
これもしたい、あれもしたいと色んな妄想を口にするものだから
きっと、私を「身勝手」と思っている
朝早くから夜遅くまで働いて平日は滅多に見る事のない姉に
そんなに働くなんてと私がぼやくと
それは仕方のないことで
そうやって働かないと周りとやっていけないのだと言う
そして
私を「身勝手」と思っている
しがらみのような
圧力のような
日本ってこんなにも堅かったんだった
そんな中で私はもがいている
みんな働き過ぎだと言う私は「ちょっとおかしく」って
もっと仕事以外の事を経験すべきだと言う私はすでに「不良」で
勤勉・忠実が美徳とされる私の周りに存在する小さな社会の中で
どうしたらいいのか途方にくれている