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変形性膝関節症
変形性膝関節症の治療



†変形性膝関節症とは何か

簡単にイメージしてください。
膝の関節があって、ももの骨の表面とスネの骨表面にある摩擦のすごく小さい2mmほどの厚みのすべすべのコーティング、これが軟骨ですが、そのコーティングがペンキがはげてしまったように傷んだりはがれたりして骨の表面がむき出しになってしまった状態です(軟骨は図の黄色の部分)ひどく傷んでいるひとはほとんどこの軟骨がすり減ってなくなっている場合もありますし、まだ初期で軟骨の表面だけ傷んでいるというひともいます
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†どうして変形性膝関節症になるのか

年齢とともに変形性関節症罹患率が上がるので、年齢の変化、が何かしら関与しているのではないかと言われていますが、詳しいことは分かっていません。軟骨の主、軟骨細胞の働きに何らかの変化がでてくるのだろうと言われています。

年齢の変化のほかに遺伝的な要因も疑われています

事故、スポーツなどによりけがをした場合、膝の靭帯をいためたとか、骨折をした、などの原因があとから軟骨に異常なストレスをかけてしまってなる場合も多いのですが、このような明らかな原因がある人のほうが実際は少ないかもしれません

環境要因が大きいので個人個人の環境によってかなり違いがあるようです

†どうして痛いのか

骨の表面に神経があるので、軟骨がはげて骨がむき出しになれば痛いのですが、それより以前の段階で、軟骨と軟骨の間にあるクッションの役割をしている半月板が軟骨より先に傷んではしっこが切れて挟まっていて痛い場合もあります。また関節にかかるストレスのせいで膝の膜に炎症が起きて痛い事もあります。軟骨でも半月板でもなくて、膝の靭帯だったり、膝表面に近い神経が痛いということもあります。膝のお皿の骨の位置が悪くて痛い事もあります。どうして痛いのか、その原因を探る一歩として、どうしたら痛いのか(走ると痛い、長く歩くと痛い、じっとしていても痛い、立ったり座ったりで痛い)などの細かい記録が手がかりになります。どうして痛いのか、をもう少し知るためには病院で膝関節鏡という準手術検査をしたり、MRIというもので調べたりすることもできます。

†どうしたらいいだろう

変形性関節症で手術をして骨の表面を切り取ったあとのこの写真をちょっと見てみて下さい。手前の青い四角で囲った部分は軟骨がなくなってしまった状態ですが周りにはまだ軟骨が残っています。
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場所によって軟骨のすり減り方に違いがあるわけです

つまり

ある一部分の軟骨にストレスをかけすぎないようにすること、はとっても大事なことなのです

軟骨が完全に広範囲に渡ってなくなってしまう前に、軟骨をする減らさないようにすること。それはある程度運動療法によって可能と言われています。
軟骨をすりへらさないようにすること、そして、軟骨のすり減っている部分にはこれ以上ストレスをかけないようにすること。
そのためには根気づよく以下のことを続けてみて下さい

#1 ストレッチをする。お風呂でよく暖めてからゆっくり曲げ伸ばしをする(関節をやわらかくする)できれば正座できるほどよく曲げる事と、伸ばすのは足首が浮くぐらいよく伸ばす事。特に横方向。膝の内側のすじをのばす気持ちで。これで関節の基本的な動きをとりもどします。痛い方向に無理矢理動かす必要はありません。

#2 ももの筋肉をつける。ジムなどにある足首にバーをつけて膝を伸ばす機械。自宅でなら足首におもりをつけて。これで膝の軟骨にかかるストレスを筋肉が代用できるようにします。激しいジャンプやジョギングは避け、水泳や自転車こぎなど体重がかからない状態で筋肉を鍛える方法を選んで下さい。

#1、2はできたらリハビリの先生と相談してやるのがいいと思います。そして毎日欠かさずすること!

#3、歩く前は必ずストレッチをする。靴は底に衝撃吸収剤の入ったもの、足の裏のアーチを支えたもの、かかとの減っていないもの、大きめで足の指が自由に動かせるもの。これで股関節から足までの体重のかかるところをコントロールして正しい位置に関節がくるように調節できるのと、軟骨にかかるストレスを最小限にします。立ち方、歩き方も正しい姿勢を身につけましょう。膝や腰が曲がったまま歩いていませんか?足底板というものを作っている専門の靴屋や、病院の「装具診」でアドバイスしてくれるはずです。

できたら専門の靴屋や装具担当者と相談しましょう。体に合ったいい気持ちの靴、を見つけることは簡単ではありませんがとてもとても大事です。見かけ重視で革靴、といくと難しいのでスポーツシューズ(トレーナー)からはじめてみてください。

#4、痛い位置にはなるべく動かさないようにする。正座で痛ければ、正座をしない。長時間歩くとい痛ければ長時間歩かない、など、痛みの出方によって調節する。痛いときは、階段は上りはいいが、下りはなるべく避ける。長時間の同じ姿勢はさける。

痛みは本人にしかわからないもの、痛みがどうしたら出るかを記録しましょう

#5、体重のコントロール。やせになる必要はありませんが、筋肉の量を増やして体脂肪の量を減らす事。

肥満は万病のもと、膝関節症のもとでもあります。でも筋肉の量がすくないやせ型が決していいというわけではありません

#6、青魚などに含まれるグリコサミノグリカンがコラーゲン、オメガ3脂肪酸などをとるようにする。こういうサプリメントとして摂取して、膝の痛みが良くなったという嘘みたいなほんとの話が最近どんどんきかれています。ただしサプリメントは値段も高いし、サメの捕獲し過ぎでサメ危機、とも言われているし、取りすぎてどうなるかの臨床研究などもされていないので、過剰にならないようにうまくやってください。できればサプリメントに頼らずに天然に食物から摂取するようにするのが一番です。

食事は体の基本。脂肪分、糖分、炭水化物分を減らしてタンパク質をとることや、ビタミン、ミネラル(カルシウムなども含め)など必要なものを毎日とるように心がけてください。今はカルシウム入り牛乳や、オメガ3脂肪酸入り卵なども売ってるのでチェックしてみてください。

#7、膝のサポーターをする。保温だけのものから、靭帯を補強する作用のあるものまでいろいろあります。保温だけでも無意味ではありません。これも装具診でアドバイスしてもらったり、薬局、スポーツセンターで売っているはずです。

いろんな種類があるので値段も安いものから高いものまで。高いものは病院で保険がきく場合もあります。

その他、

炎症が起きて痛みが出ている場合は膝の関節内への注射や痛み止めを飲む事、湿布などである程度痛みを抑える事はできますが、注射は5回程度まで、痛み止めや湿布も3週間程度で効果がなければ再考したほうがいいと思います。

それでも痛い場合や、膝に水がたまったりする(腫れる)場合はきちんと担当医に相談するようにしてください。
by ninotika | 2004-12-08 20:38 | WORKING


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