私はClaudio Abbadoというイタリアン指揮者のファンで
一度エディンバラ・フェスティバルにアバドが来たときはもう大興奮だった
クラシック演奏を聴くときには決していい席とはいえないチケットを狙って買った
それはもちろん一階席の真ん中の一番前!
ステージが高いのでちょっと見上げるような格好になってしまうのだけど
コンサートの当日、花屋に夫と二人でよった
大きな花束を、と意気込む私
そしたらね、違うんだって
「一輪だけだよ」って言われた
「だってDVDとかみると大きな花束、あげてるじゃん?」
「あれはショウでしょ、私はいちファンでしょ
気持ちを伝えるには大きな花束はいらない」
結局迷いに迷って大好きな、長くて大きいストラリッチア(極楽鳥花)に銀色のリボンをつけてもらった
演奏が終わって、さあ、と夫がタイミングを見計らって私の背中を押す
「なるべく高くお花を掲げるんだよ、アバドがかがまなくてもいいようにね」と説明され
そして、みんなの拍手にお礼をしているアバドのところへ立ち上がってドキドキしながら
「ブラボ、マエストロ」
とストラリッチアを渡した
アバドは驚いたような照れたような顔をして、お花を受け取ってくれた
しかもね、アンコールでもう一曲 ラ・メール の一部分を演奏してくれた時、となりに座っていたおじさんが
「お花あげてくれてありがとう、私もうれしい」
とにっこりしてくれた
*
そういえばマリアカラスも客席から一輪のカーネーションか薔薇かを受け取った時
花の部分を自分で短く折って
ドレスの胸の谷間にすっと差し込んでいたよ
それがほんとにまぶしかった
白黒の画像だったけど、きっと赤い花だったに違いない
なんだかそんな色まで見えるような美しさだった
*
Pinkyさんがデートのときは彼が花一輪もってくるのはあたりまえ
おおきな花束は邪魔だからって書いてたような気がした
くるくるっとひとつに丸めた髪に
後ろからかんざしみたいに花を差し込んでもらうとか
ジャケットのブローチ代わりに使ったりとか
トートバックに巻き付けたりとか
デートのときにそんなかわいらしさがあってもいいよね
花の華やかさと
その花の命の責任まで引き受けているような潔さをもつPinkyさん
Pinkyさんに花一輪、いちファンとして捧げます
そして早くもどってきてね
Makeover adviser - それは、心から。にトラバしました